野田文七のブログ

東方Projectの小説書いてます。劇団文七団長。
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紅楼夢を終えて

B'zは「計画通りに事が運ぶほど甘くない」と歌います。稲葉さんはなんでもよくご存じだ。

シン・ゴジラでは何かあるたび「想定外だ!」と叫ぶエラい人が登場していました。のちにビームで焼かれたかもしれない彼の気持ちは、僕にもよくわかります。

 

では計画を立てるのは無意味なのでしょうか?

結果として無意味になる計画というのは、実際に存在します。

しかし、それでもなお計画を立て続けねば、未来へ向かう意志自体が死んでしまいます。

計画とは羽ばたきのようなもので、それで上昇するかどうかはわからないけれど、羽ばたきをやめれば飛ぶことそのものをやめてしまう、ことになります。

 

 

以前、「メリーの悪夢」を韓国語訳してくれたクロリンさんと、今回紅楼夢で初めて対面しました。

きちんとお礼も言いたかったので、とりあえず15時にまた来てくれといい、そのままスペースを回していました。

実際に15時になってクロリンさんが来たときも、まだ僕は後片付けがもたついて、宅配の箱もずいぶん溜まってしまいました。

途中で顔を出してくれたカキヤさんやすずし君を引き留めて箱持ちを任せていればよかったと悔やみましたが後の祭り。

仕方がないので、クロリンさんに箱を半分ほど持ってもらい、宅配の列に一緒に並んでなんとか間に合いました。

6号館を出たところで、ドーナツなど軽食を屋台で売っていたので、それを買って近くの簡易テラスで雑談。

「クロリンさん、東方はいつから? 僕の『メリーの悪夢』が11年だから、それより前からかな」

「私が『メリーの悪夢』を読んで翻訳したのは13年ですね。でも翻訳自体は11年頃から始めていましたよ。それまでも、日本のアニメやゲームを翻訳で楽しんでいたんですが、あるとき、好きな日本の歌が、まだ韓国語に翻訳されていなかったんですよね、ネットのどこにも。だから自分でやってしまえと。そうして頑張って勉強しました。」

うーん、愛だ。

その歌が、東方アレンジなのか、別のアニソンなのかは聞きそびれたが、翻訳対象はおおかたが東方だそうな。

「日本の東方イベントにけっこう参加してるんですか?」

「二年前の、大阪の旧作オンリーげんましん以来、二度目ですね」

「やっぱりなかなか海外まで頻繁に参加するのは難しいですもんね」

「それもありますが、最近まで軍にいたので」

「あ、徴兵か……!」

言われてみれば、一見日本のオタクとあまり変わらぬ風貌のクロリンさんだが、全体的に横幅が広い。

「だいぶ鍛えられたんですね……名古屋に知り合いの三十代韓国人がいるんですが、彼は昔、徴兵先でひどい目にあったそうです」

「そういう問題もあったせいか、最近はそれほどまででもないです。もちろん、キツイことはキツイですが。私も学友とルームシェアしていましたが、軍に行くのでルームは解約しました」

「学業とか仕事が、途中で強制的に中断されるの大変ですよね。友人が韓国の木浦大学で教えているんですが、学生が急に兵隊にとられることに、始めはカルチャーショックを受けたんだそうです。確かに、日本じゃ考えられない」

「こちらではもうそれが当たり前という感覚ですけどね」

「批判は起こったりしないんですかね。軍はもちろん必要でしょうけど、専門職に任せた方がいいんじゃないかなぁ……」

クロリンさんは無言で微笑。

「そういえば、数か月前に韓国で大規模な選挙があったでしょう。友人が、それに巻き込まれて日本人だと気づかれずに握手攻勢に遭いまくったそうです」

「センキョ?」

「あ……ええと……政治家を……アレです、投票です」

「ああ、投票ですね。ええ、かなり大騒ぎでした」

僕は、一人の二十代韓国人男性の政治的意見に興味が湧いて、少し水を向けてみた。

「やっぱり、そういう話は、ネットでたくさんしたりしますか? みんなけっこう熱くなるでしょう」

「うーん……韓国では、こういう格言があります。ポリティカルな話と、コレ……」

そう言って、両手を合わせてみせる。

「ああっ、宗教……ええと、レリジョン」

「そう、ポリティカルとレリジョンの話は、たとえ家族同士でもするべきではない、と」

「なるほど……争いになりますもんね」

「そう、家族同士でも。私はネットは東方一直線、趣味ばかりに使います」

僕はもう少し粘ってみることにした。

「でも、新聞なんか読んでいると、時々気になりませんか。こういうとき、外国の人はどういう風に考えているんだろうなぁ〜っ、とか」

またも、微笑。

これ以上聞けば、非礼になる。僕は手を引くことにした。

……とか言いつつ、ちょっとズルいけど別口から行ってみた。

「台湾では蔡英文総統がオタクイベントに顔を出したみたいですけど、朴槿恵大統領はそういうところに来そうですか?」

すると、苦笑した。

「さあ……一生ないんじゃないでしょうか」

「あの大統領、ゲームや漫画などけしからん! っていう保守的な人たちから人気ありそうですもんね」

「ええ、まあ」

また、苦笑。とはいえこれ以上ポリティカルな話題を蒸し返すのも失礼かと思い、今度こそやめにした。

「名古屋の韓国知人によると、ナルトを見るだけでも家族に対して恥ずかしい思いがあるそうですね」

「ええ。だんだんそうではなくなってきましたけど、日本よりは遥かにオタクへの目線は厳しいです。私たちオタクは『一般人コス』を普段はして、社会では生きています。それでも最近、オタクカフェや、メロンブックス的なお店も増えてきましたし、アニメ映画もシアターで上映されるようになりました」

「ドラえもんとか?」

「いえ、ラブライブとか」

「ラブライブが韓国で!? それは知らなかった」

「君の名は。ももうすぐ上映されるでしょうね」

「は〜っ、進んでいってますね」

「私にとっては、オタクが表に出るようになって、いい流れです。境界線も曖昧になって、一般人でもナルトやワンピースを見るようになってきました」

「日本と同じ道ですね。最近はよく、日本の古いオタクが『最近のオタクは明るくなってきていかん。昔はもっと暗いところで一所懸命オタクをしていた』とぼやいていますよ」

「そうですか。私は、明るくなってきて、いいことだと思いますよ」

「僕もそう思いますけどね。まあ、こだわりがあるんでしょう」

などという話をしつつ、途中からインテックス大阪を出て、コスモスクエア駅まで歩いていき、そこで路線が別々だったので、握手して別れた。

 

大阪南港から帰りのフェリーに乗り、ロビーで春日傘さんの小説を読んでいたところ「野田文七先生ですか?」と声をかけられた。

見上げると、その日うちのスペースに来て本を買ってくれた人だった。

おやおや奇遇だね、君も九州? あ、山口か、そっか小倉から近いもんね、などと言いつつ、その学生さんと雑談。

確かに小倉から船中泊で大阪に行くのは経済的に合理的なので、他にも紅楼夢参加者がいるかもしれないね、などと話していた。

 

そろそろ文字数も増えてきたのでここらで切り上げます。

今週の土曜は、今度は飛行機で東京です。

また、様々な出会いがあるといいなと思います。

| - | 20:47 | comments(2) | - |
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| - | 20:47 | - | - |
いんや、そっちの辺りじゃないんだよね。あとでグーグルマップで見たら、確かにちょっと遠い。(別に隠すような都市でもないけど一応伏せとく)
日本もそうだけど、実際の距離じゃなくて、付近のハブ都市にどんだけ近いかだもんな。

時間やお金をかけて日本に来る外国人や、日本語を学ぶ外国人、という時点で、かなり好意的な層だとは思うけれど、それにしても共通した文化を見つけると、交流しやすいよね。
| 野田 | 2016/10/11 8:38 AM |
クロリンさんは、お住まいどちらだろう。ソウルか釜山近郊なら、下手したら君が大阪行くより安く来られるぞ。チェジュエアーの特別割に間に合えば、片道5000円くらいのがあるからな。流石に宿代があるから、それなりの出費なのは間違いないけど。値段で測ると距離感おかしくなる。
こっちだとオタク教員は希少だから、漫画アニメで覚えたての日本語に元ネタ絡めてツッコんでやるとめちゃめちゃ喜ぶよ。今日もJOJOの「だが断る」で逆接の正しい使い方教えたし。あと、キムカッファンからD.VAへの韓国人ステレオタイプの変遷みたいなネタを講義のあまり時間にすると、ゲーオタはかなりいるから食いつきがいい。
| N.S@木浦 | 2016/10/10 9:32 PM |